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HIV-1マトリックスタンパク(MA)を標的としたペプチド性阻害剤の抗HIV-1活性評価と創薬展開 (国立感染研・村上努第三室長、山本直樹センター長との共同研究)

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全世界で(そしてわが国でも)その患者数が増加し続けているエイズを克服するために重要な対策の一つに、 ウイルス構造タンパクと宿主因子もしくはウイルス構造タンパク間の相互作用の解析に基づいたこれらの 相互作用を制御する薬剤の開発があげられます。
その中で、我々はマトリックス(MA)に着目しました。MAはHIVの複製サイクルにおいて、 前駆体Gagタンパクの細胞質膜へのターゲティング、感染性ウイルス粒子形成に必須の過程である Envタンパクのウイルス粒子への取込みなど重要な役割を担っています。 これまでGagの構成成分である、カプシド(CA)やMAがその標的として選ばれ、 その部分ペプチドの一部が抗ウイルス活性を示すことが報告されています。 しかしながら、そのほとんどの場合、使用したペプチドが細胞内に導入されているかどうかの検討はなされておらず、 上述の抗ウイルス活性の作用機序についても十分解析されていません。 最近、ペプチドを細胞内に効率的に導入することに成功した例が多数報告されています。
そこで、本研究テーマでは、以下に示す研究計画によって、HIV-1の複製を阻害する ウイルスタンパクもしくはウイルスと相互作用する宿主タンパクの部分合成ペプチド (玉村研にて合成)の抗ウイルス活性の評価、細胞膜透過性の検討等を行っています。 得られた結果をもとに、玉村研にて化合物の分子設計、合成を行い、創薬研究への展開をフィードバックしています。 この研究テーマを通して、動物細胞の培養、ウイルス感染実験、蛍光顕微鏡を用いた細胞観察、 ウエスタンブロッティングや免疫沈降といった生化学的実験を行っています(これらの実験については国立感染研・エイズ研究センターにて実験しています)。

1)ランダムなアプローチによるMA部分ペプチドの合成と抗HIV-1活性の検討

  1. HIV-1MAの配列(131aa)のN末端から5残基ずつオーバーラップさせた15 merの部分ペプチドを合成します(N末側に蛍光色素、C末側にオリゴアルギニンを連結)。
  2. ペプチドの細胞内への導入効率の定量化的に評価します。
  3. これらのペプチドが実際にHIV-1の複製を阻害するかを測定します。
  4. 阻害した場合はペプチド配列中の阻害に関与する責任領域を同定し、さらにその阻害の作用機序を生化学的、細胞生物学的手法を用いて検討します。

2)MAの機能ドメインをミミックした部分ペプチドの合成と抗HIV-1活性の検討

ウイルス複製における役割が明確になっているMAの機能ドメインをミミックした部分ペプチドを合成して1)と同様な検討を加えます。

3)HIV-1と相互作用する宿主タンパクの機能ドメインをミミックした部分ペプチドの合成と抗HIV-1活性の検討

最近、TIP47という宿主タンパクがHIV-1のGag、Env両タンパクを橋渡しすることにより、Envタンパクのウイルス粒子への取込みに重要な 役割を果たしていることが明らかになりました。これに関連して、我々は現在Gag、Env両タンパクとの相互作用に重要な TIP47の責任領域の解析を行っています。この領域が明らかになれば、このTIP47の機能ドメインをミミックした部分ペプチドを合成して、 ウイルス複製阻害活性の有無を検討する予定です。

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